【建築模型士】合格体験記

建築模型士
高橋 若菜さん

株式会社学文社 建築模型製作講座 修了 平成24年度 JAD優良講座 優秀者表彰式 奨励賞受賞

自分の好きな分野で、自分らしい仕事ができて、心から幸せを感じています。

きっかけは・・・

8年前の2005年、入籍と体調不良が転機となり、自宅でできる仕事がしたいと転職を決めました。
子供が望めないことや、経済的な理由などがあり、生涯にわたって意欲的に打ち込める仕事、心から好きだと思える仕事がしたいと願ったとき、頭に浮かんだのは、ずっと未練のあった建築の分野でした。

在宅でもできるもの、建築の分野にかかわるものと、自然と条件が決まり、あるとき見つけたのががくぶんの建築模型の講座でした。

はじめて知る職種でしたので、資料に目を通したあと、ネットで一般的な情報を集めていきました。
すると、他にも模型が学べる講座があったり、模型は外注をせずに自分のところで作ることが多いこと、模型を専門に請け負うところでは、製作者は建築をよく知るプロであることなど、見るほどに自信がなくなるような情報がほとんどでした。

ですが、不安要素とは反対に、メリットも見えてきました。
建築模型製作とは、平面に描かれた図面を、建物の知識と想像力をつかって立体におこしていく作業です。
これは建物を具体的に理解していくのにとても勉強になるのではと感じました。
それならばと、すぐに受講を申し込みました。

受講から修了まで・・・

がくぶんに決めたのは、小さい頃からなじみがあったのと、就業サポートがあったためです。
始めてすぐに夢中になりました。
というのも、あこがれて入った設計事務所を、一年ちょっとで辞めてしまった経験があったからです。
その後10年以上勤めたところはまったく畑違いの分野でしたので、懐かしい思いが、気持ちをかりたててくれたように思います。

建築のことを殆ど知らない頃の挫折だったため、模型をつくるのは初めてでしたが、要点を絞ったわかりやすいテキストと、余裕のある工程で組まれた提出期限に助けられました。
また、夫が私の様子をそっと見守ってくれていたおかげで、集中できたのだと思います。

期間中の6回の提出課題はテキストに沿った内容でしたので、復習しながら取り組むと、さほど難しさを感じずに進められました。
それらを5ヶ月ほどで修了したあと、技能試験を受け、がくぶんで認定される技能資格を取得、その後、がくぶんと提携している会社に模型士として技能登録をしました。

現在の仕事のやりがいは・・・

登録をすると必ず仕事がいただけるという制度ではなく、かといって飛び込みですぐに営業にいくには準備不足だったので、まずは模型に関する一般書を読み、模型を見にできるだけ出向いていきました。

しばらくして初めて登録先から仕事の依頼をいただいたときは、嬉しいより怖かったです。
けれど実務を積んでいけることが本当に有り難く、その後もなるべく断らずに挑戦していきました。

初めの頃は月に1件あればいいほうでしたが、6年たつ今は毎月3、4件、気がつけば開始からつくった数は数百個になっていました。

図面を頭のなかに読み込み、想像のなかで分解して、1枚のボードからパーツを切り抜く作業をくり返し、取り外せるよう組み立てて、詳細を作りこみながら完成させていく、完成して得られるのは、深い達成感です。
自分の好きな分野で、自分らしい仕事ができて、心から幸せを感じています。

道を示してくださったがくぶんの皆様や、支えてくれた周囲の人たち、徹夜すると横でしばらく起きていてくれた夫に、恩返しがしたいです。

社会で微力ながらも戦力となり、家庭では少しでも多く時間をつくって夫を幸せにしていきたい。
また、同じような方向を目指す方々にとって少しでも参考となるような形で、成長していきたいと考えています。