【日本語教師】合格体験記

日本語教師
鈴木佳代子さん

アークアカデミー「日本語教師養成講座420時間総合コース」修了。 平成30年度 JAD優良講座 優秀者表彰式 優秀賞受賞。

日本で学ぶ留学生達のキャリア形成の力になりたい

受講しようと思ったキッカケ

私は昨年10月から都内の日本語学校で日本語教師として働き始めました。日本語教師という職業を知ったのは、今から10年ほど前に主人の仕事の関係でベトナムに駐在したことがきっかけでした。
ご存知の通り、今多くのベトナム人が来日し、日本語を勉強し、日本で働いています。一方、ベトナムでも同様に、日本語を学ぶ人が多く、何人かの友達が日本語教師をしていましたので、日本語を教えることに興味を持つようになりました。

また、長男長女は幼稚園から小学校までの7年間インターナショナルスクールに通い、その間、数少ない日本の友達とも英語で会話していました。家庭では私達両親とは日本語で会話しましたが、日本語の語彙が非常に少なく、英語で話すほうが簡単だと感じると英語を使うといった状況でした。そのため、日本へ戻ってきてから日本語の習得に非常に苦労しました。
子供たちの奮闘を通じて日本語を学ぶ、教える難しさを私自身も強く感じていたので、改めて日本語についてきちんと学びたいと思いました。そこで、帰国後、長女に手がかからなくなった2018年の4月から半年間、日本語教師養成講座に通うことにしました。

同じ目標を持つ仲間との支え合いが、自身のやる気に繋がる。

数ある学校がある中、私が選んだのは6ヶ月間のコースで平日月から金までの週5日午前授業、開校クラスは20数名の1クラスのみの学校でした。男女がほぼ同数の幅広い年代層でみんな目標が明確にあって意欲が高く、同じ日本語教師になるという目標に向かってがんばれました。
各分野のテスト前にわからないことがあったらLINEで聞いたり、欠席したときはノートを貸し借りして助け合ったりしました。自分の頑張りがお互いを刺激しあえる良い環境だったと思います。毎日180分の授業で長丁場でしたが、講師の話はわかりやすく、質問にもその場ですぐに応じてくださいました。
授業内容は文字、言語の歴史、日本語の歴史と現状、文法、教授法、心理学、指導方法、教育実習などと幅広い分野でどれも興味深い内容でした。そして、今更ながら日本語について「なるほど!」と驚く場面が多かったです。

日本語学校を併設しているため、留学生との文化交流会や、授業参観があり、教育実習では実際の学生を相手に授業を行うなど、現場により近い体験ができたのもよかったです。あっという間の6ヶ月でした。
これまでは当たり前の如く接してあまり細かく気にしなかった日本語ですが、養成講座に通ったことで自分が使う言葉や普段耳にする会話にとても敏感になり、この言い方は正しいのだろうか?と立ち止まり考え直す機会が増えました。
また、今話題になっている外国人労働者受け入れの件もとても身近に感じるようになりました。

難関試験への挑戦!少ない時間の中でも前向きに努力し合格へ。

検定試験は年1回、10月末に行われます。私は日本語教師養成講座を9月末に修了し、すぐに教師として働き始め、10月には授業の研修も重なったため、検定試験対策の時間はほとんど取れませんでした。

そんな中、養成講座のノートの振り返り、養成講座から頂いた検定試験対策パッケージに8月末から取り組み、わからない箇所は養成講座の先生に質問したり、同期と教え合ったりしました。試験はマークシート形式のものと筆記があるのですが、筆記に関しては対策として3課題取り組み、養成講座の先生に見ていただき、書き方のポイントを指導していただきました。

試験当日、会場ではポストイットをたくさんつけた分厚い問題集を手にした受験者が多く、正直、圧倒されました。検定試験はとても難しく再挑戦になると思っていましたが運良く合格をいただきました。

生徒から得た気づきを通じて、経験を積むことの大事さ。

長男を妊娠して仕事を辞めて以来、これまで常に子供に寄り添って生活してきました。私が家にいることが子供たちにとって当然だったのが、教師になった4ヶ月前から生活が一変し、今では子供たちも少しずつ家のことを手伝ってくれるようになりました。
授業準備では、参考書やインターネットを使って学生が遭遇しそうな場面をイメージして資料を準備した上で、授業で学生が共感を持てるようにわかりやすく話すことを心がけています。行き詰まった場合はベテラン先生からのアドバイスや、養成講座の同期と相談することもあります。

日本語を教える立場になったとはいえ学生から学ぶことも多く、今は授業での学生からの気づきを通じて多くの経験を積むことが大事だと感じています。
大変な半面、学生たちが習った言葉を使って、言いたいことを日本語で表現するのを聞くと、とても嬉しく感じます。彼らが興味を持って楽しく授業に参加してくれるよう、そして、少しでも日本での彼らのキャリア形成の力になれるように、私自身も日々学びを続けてこの仕事に取り組みたいと思います。