社会保険労務士の資格とは
社会保険労務士の資格とはどのようなものでしょうか。
社会保険労務士は、事業主が行う労務管理等に対して適切な指導・アドバイスを行うとともに、労働者が働く上で抱えているさまざまな問題に対しても適切なアドバイスを行っていきます。
社会保険労務士の資格は、事業者の健全な発達と労働者の福祉の向上に資することのできる資格と言えるでしょう。
また、今、巷では、年金 記録問題等が話題になっていますように、「自分の年金の記録に不安がある」、「病状が重く働くことがままならない」など、一般市民の方もいろいろな問題を 抱えて日々生活されています。
そのような一般市民の方々にも、適切なアドバイスをして、その生活の安定をはかることができるのも、社会保険労務士の資格の 大きな特長と言えます。
社会保険労務士の資格は、私たちの暮らしのなかで、ますます必要とされる資格なのではないでしょうか。
社会保険労務士試験とはどんな試験か
社会保険労務士試験の合格率は、およそ7~9パーセントです。
これは資格試験の中でも、難しい部類に入るでしょう。
他の資格と比較するのは難しいところもありますが、たとえば、税理士ですとか司法書士の資格となりますと、おそらく会社に勤めながらの資格取得は非常に難しいと思います。
その点、社会保険労務士の資格ですと、会社に勤めながらでも頑張って毎日2~3時間の勉強を続けることで合格への道が開けてきます。
「合格するぞ!」という強い意志があれば資格取得のチャンスは十分にあると思います。
社会保険労務士の資格は、サラリーマンが頑張って資格を取ることのできる最上位のレベルにランクされる資格と言っても過言ではないかもしれません。
日々充実した職業人生活を送るうえでも、チャレンジしがいのある資格と言えると思います。
社会保険労務士試験を受験して合格するかどうかは、やはり、問題を解くセンスというのも関係してきますので、1回で受かる方もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。
合格者のうちの2割程度は初めての受験の方と言われていますが、3回目くらいの受験で合格される方が多いのではないでしょうか。
5回以上挑戦されて合格される方もおられます。
いくら知識があっても、簡単には合格に結びつけることができないのが、この試験の特殊性と言えます。
試験科目は10科目であり、午前中は「選択式試験」という穴埋め問題、午後は「択一式試験」という五肢択一の問題になるのですが、「選択式試験」「択一式 試験」のいずれにも総合得点で一定以上の得点をあげなければならないという基準点が設けられます。
それだけではありません。「選択式試験」、「択一式試験」のいずれについても、科目毎に最低必要得点が設定されていて、これをクリアできないと合格できないのです。
つまり、苦手科目がある限り、合格は近づいてこないというわけです。
たとえ、知識が豊富にあったとしても、1科目のミス、一箇所のミスが命取りになってしまいます。
このため、ほんのチョットとだけ合格基準点に達しないだけで、資格取得に複数年かかってしまう方もおられるわけです。
受講生の傾向について
社会保険労務士受験講座を受講される方で、一番多く見られるのは、やはり開業を目指される方でしょうか。
社会保険労務士の扱う業務は資格を持っていないとできない仕事ですので、まずは資格取得が目標となります。
開業社会保険労務士の場合には、労働保険・社会保険の手続を事業主に代わって行う手続代理業務や 労務管理に関する相談・指導などの業務を行うことができます。
また一方では、企業内において、社会保険労務士の資格を持っていると人事面・待遇面で評価されることもあります。
今すぐ開業となると、当初は 思ったとおりの収入を得ることはできず、リスキーな面もありますので、開業は、タイミングをみて慎重に決断される方がよいのではないでしょうか。
社会保険労務士には定年はありません。
ですから、60歳ぐらいで資格を取得し、定年退職後もずっと仕事ができるというメリットもあります。
また、自分自身 の年金支給開始年齢のことを考えると、60~65歳は現役で働かなければならないということになります。
そういう面でも、社会保険労務士という職業のメ リットが見えてきます。
最近の受講生の傾向としましては、一つには、定年後の生活の安定や生きがいをもつということで受講される方が増えてきている点を挙げることができます。
そして、働き盛りの30代、40代の方が、自分に「資格」という武器を身に付けるために受講されるケースも多くなっています。
たとえば、人事総務関係部署、 個人資産運用などの相談業務を扱う部署などへの異動を希望する場合、社会保険労務士の資格を持っている人と持っていない人のどちらの希望を優先するかといえば、当然、資格をお持ちの方を優先するでしょう。
ですから、現役のサラリーマンの方が、会社で活躍するための武器を身に付けるという意味で頑張って資格 取得を目指されるわけです。
さらに最近では、学生さんが受講されるケースも目立ちます。
行政書士や宅建と同じように、最近では社会保険労務士の資格も実社会でかなり認知されていますから、社会保険労務士の資格を持っていると就職活動の面でも大いにプラスになるようです。
このように、定年間際の方、現役の方が武器を身に付ける、学生さんが就職活動に活かすなど、様々な目的をもって受験勉強に取り組まれています。
社会人の方が合格するためには
社会人は忙しいですから、1日に2~3時間をコンスタントに勉強するのは非常に難しいことです。
どうしても会社の決算期など業務が集中する時期だと気力を 維持するのも大変です。
そんな時、私たちは、「頑張りましょう!」とお声掛けするなど、モチベーションが上がるようなお話をさせていただくよう心掛けてい ます。
社会保険労務士試験は、試験科目が10科目あるというのは相当な学習量になりますし、しかも社会保険労務士の場合、10科目すべてが一定のラインを越えないといけません。
1科目でも基準を満たさないと合格できないという怖さがあります。
したがって、学習期間は、試験が終わった翌月の9月から翌年の8月まで の一年間という長丁場になるのが一般的です。
合格発表が11月なのでその結果を見て、11月位から再チャレンジをスタートされる方も多いようです。
社会人の場合、勉強時間の確保という点で、スキマ時間をどれだけ使えるかというのが大切になります。
家に帰ってから勉強できるかというと、会社での疲れも あり、なかなかうまくいきません。
むしろ毎日の通勤電車の中の方が、学習教材の中の解説CDを聴いたり、問題を解くなど、課題を決めて取り組むことで集中 して学習することができます。
ほかに、昼休みを使って、毎日30分勉強するなど、スキマ時間を有効に活用することで、自宅で学習するのと変わらない学習効果を得ることもできるのです。
これからの社会保険労務士の姿について
行政および全国社会保険労務士会連合会の考え方にもよると思うのですが、社会保険労務士は事務的な仕事ばかりではなく、今後は、企業に対して提案やアドバイスなどを行い、そういう面での業務や貢献度が社会保険労務士の評価のポイントになっていくのではないでしょうか。
事務的な仕事はもちろんのこと、さらにプラスして「あそこの社労士さんに任せてよかったね」と言ってもらえるよう、顧客のニーズを把握し、これに対して細 やかな提案・アドバイスを行うことが、今後の社会保険労務士に必要な姿になっていくのではないかと思います。
これまで社会保険労務士試験を受験される方の多くは男性だったのですが、近年は女性の数が非常に増えてきています。
今では、およそ男性6:女性 4ぐらいの比率になるでしょうか。
ここ数年は、とくに、年金のプロフェッショナルとして、テレビ番組に出演して視聴者に年金の仕組みを説明するなど、社会保険労務士の露出度が増したせいか、以前よりもはるかに認知度も高まっています。
そのため、国家試験の申込み者数や、実際に受験される方の数も右肩上がりで増えており、平成22年度の受験申込者数は約7万人、実受験者数は5万5千人を超えています。
社会保険労務士に求められる役割の一つとして、企業や労働者のためになるような提案をすることが挙げられます。
現代社会は時代の流れが早く、法律もそれに 対応して迅速に改正されます。企業の人事担当者がすべてそれに対応できるかというと、なかなか難しいというのが実情でしょう。
たとえば、就業規則を変更すれば労働基準監督署に届け出る必要がある、そういった時に会社の実状に合わせた就業規則の変更や従業員への周知など、十分な対応ができないことが出てくるかもしれません。
そのような時に、社会保険労務士であれば、課題に対してきちんと提案・アドバイスをすることができるはずで す。
社会保険労務士の仕事は、これまでは個人経営が主体でしたが、現在では社会保険労務士法人の設立が認められ、取引企業のさまざまなニーズに対応するサービスを展開しています。
社会保険労務士が共同して社会保険労務士法人を設立することで、多種多様な業務や都道府県を超えた広範囲の業務にも十分な対応ができ るようになりました。
I.D.E.社労士塾が大切にしていること
当塾の通学講座は、東京本校、大阪教室、名古屋教室で開講しています。
大きな規模で通学講座を開講しているわけではありませんので、受講されている方の多くは、通信講座の受講者です。
通学講座の受講生からは、学習上の悩み・疑問点をお伺いし、一人ひとりの学習の進捗度に応じた回答・アドバイスを行っています。
また、通信講座の受講生に対しては、東京本校に講師を常駐させ、電話による相談・質問をお受けできる体制を整えています。
当塾の講座では、ただ暗記をするというのではなく、制度の背景的なことや趣旨、なぜこういう仕組みが必要になったのかといったようなこともお話し、資格取得後にも受験生時代に習得した知識が活かせるように指導しています。
資格を取得しても、実際の仕事において事業主や労働者にきちんと説明する力がないといけません。
背景的なものだとか制度の必要性をしっかり頭に入れて理解していると、人に対してとてもスムーズに説明することができます。
社会保険労務士には、事業主や労働者に納得してもらえるようきちんと説明する力がないといけません。
制度創設の背景や仕組みを理解していると、事業主や労働者に対してスムーズに説明することができ、その信頼を勝ち取ることができるのです。
暗記だけでも確かに資格を取得することはできます。
しかし、その後実際に現場で人に説明して納得してもらえるかというとなかなか難しいものです。
資格取得後、社会保険労務士として、責任をもって事業主や労働者に説明し、納得してもらえること、これこそが社会保険労務士の仕事の本質だと思います。
私たちが受験指導していく上でもっとも大切にしている点でもあります。
資格を取得することの意義
「学ぶ」ということで言いますと、たとえば、会社の職能資格制度における研修がありますが、果たしてその研修が自分のためになっているのかどうかはわかりにくく、疑問を持つ方もいらっしゃるのではないかと思います。
会社にいると、自己研鑽に努めるように発破を掛けられますが、具体的に何を学べばよいのかわからないといったケースも多々あります。
その点、「資格取得」というのは、きちんと自分に知識が付き、しかもそれが国家資格であれば国がお墨付きを与えるということですので、会社内外で評価されることになります。
努力の結果がきちんと評価されるという意味で、非常にやりがいがあります。
学生は勉強することが仕事ですけれど、極論すれば、社会人は勉強してもしなくてもどちらでもよいのです。
しかし、たとえ少ない時間でも、向上心を持って、 一所懸命勉強して結果が出ると、とても嬉しいものです。
その後の職業人生活においても大きな自信につながりますし、「次へのチャレンジ」への源にもなります。
受講生や合格者へのフォロー制度について
I.D.E.社労士塾では、資格取得をめざす受講者の皆さんが、納得のいく結果が得られるよう、アドバイスやサポートを行っています。
的確なアドバイスや サポートを行うことが、私たちの一番大切な役割ではないかと考えています。
そして、皆さんが自信を持って充実した職業人生活をお送りいただけるようにと 願っています。
社会保険労務士の資格を取得した場合、その時点で勉強の習慣が身に付いていますので、試験に合格した後もまた別の資格等にチャレンジされる方が非常に多くなります。
受験生時代の生活が充実していたので、皆さん毎日の生活について「手抜き」をすることができなくなるようですよ。
受験後、少し休んでから再び別の…。たとえば行政書士や中小企業診断士などの資格取得にチャレンジし、次のステップを歩まれる方が目立ちますね。
社会保険労務士と行政書士の資格を取得される方も多いですね。
行政書士の資格取得も今はかなり難しくなっていますが、ダブルライセンスを武器に活躍されている方もいらっしゃいます。
I.D.E.社労士塾には、「イデアクラブ」という合格者の会があります。
入会条件は、当塾の長期講座の基本テキストを使って合格された方です。
社会保険労務士の携わる法律というのは、法律の改正がとても頻繁に行われますので、つねに知識の更新が必要になります。
生活関連の法律ということもあり、 かなり早いテンポで法律が改正されていきます。
合格時の知識だと、顧客の相談に対応できないということにもなりかねません。
そこで、「イデアクラブ」で定期的に研修会を実施。法律改正に伴う知識の書き換えその他行政の動向や会員ニーズに応じて、適宜研修会を開催しています。
またイデアクラブには懇親の意味合いもあります。
情報提供、情報交換はとても大事なことですので、そういう情報交換の場としても機能しています。
会員の皆さんは、同じ釜の飯を食べて合格していますので、一体感が違いますね。
メインの開催地は東京になりますが、仙台、名古屋、大阪、福岡でも定期的に研修会を開催しています。
合格後にもOB会のフォロー制度があるというのが、当塾合格者の大きなメリットの一つと言えます。