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【厚生労働省セミナー】
個人のお客様

「チャイルドマインダー」ってどんな仕事?

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チャイルドマインダー
株式会社エヌシーエムエージャパン
代表取締役社長 西内久美子様

家庭保育のスペシャリストである「チャイルドマインダー」。
保育士や幼稚園教諭がスキルアップのために取得するケースも。
資格の背景や意義について、NCMA,Japan代表の西内久美子様にお伺いしました。
(2012年10月掲載)

英国チャイルドマインダーは、イギリスで発祥した家庭的保育のプロフェッショナル。

わたしたちが養成講座をはじめてから、かれこれ足掛け20年くらいになります。最初は「チャイルドマインダーって何?」という感じでした。
当時、ベビーシッター事業には関わっていましたが、本格的に事業化することになるとは思ってもいませんでした。
そもそもベビーシッター自体がまだよく知られていなかった時代でした。

英国チャイルドマインダーとは、イギリスで発祥した家庭的保育のプロフェッショナルです。
日本では、2010年に厚生労働省が家庭的保育事業のガイドラインを発布、児童福祉法の一部を改正し、新しい保育のカテゴリーに家庭的保育が位置付けられました。

チャイルドマインダーは、0歳から学齢児童まで幅広い年齢の子どもを対象に、家庭的な環境で保育・教育をする専門職業です。
共働き家庭や、子育て家庭、ひとり親家庭の子育て支援に欠かすことのできない専門職業としてイギリス社会に根付いています。

イギリス政府の「全ての子どもが大切」というポリシーの元、乳児期・幼児期・学齢期に至るまで、個々の子どもの成長と発達、個性に合わせた「将来的に社会に貢献する人材に育成するためのメソッド」が、政府主導で子育てと教育分野において実施されています。
すべてのチャイルドマインダーをはじめ、子どもに関わる職域では、そのメソッドが縦横無尽に張り巡らされ、ひとりの子どもも欠けることなく、質の高い保育・教育が継続的に提供されています。

修了者・合格者に、チャイルドマインダーとして働くためのバックアップ体制を用意しています。

良い人材を確保するのが難しく、ベビーシッター事業者の団体に所属していた折、きちんと研修をしないといけないという事業者の声が高まり、研修テキストの作成に携わりました。
しかしベビーシッターのプロ化の困難さを痛感。ちょうどその頃、イギリスの情報を耳にしたことが、イギリス訪問のきっかけとなりました。

当校の『英国チャイルドマインだー養成講座』は、英国政府の資金で全英チャイルドマインダー協会が家庭的保育に携わる職業トレーニングのために開発構築したプログラムを提供する講座です。

修了者・合格者には、取得した資格をいかし、チャイルドマインダーとして働くために必要なさまざまなバックアップ体制を整えています。
資格は、いかしてこそ価値があります。

サービス内容は、年々向上しています。
チャイルドマインダーと子育て家庭をウェブ上でマッチングする「子ごころサイト」や、財団法人こども未来財団の育児支援事業サービス割引券を利用できる「ダイレクトマインダー」サービスなど、チャイルドマインダーを利用するユーザーからの仕事の依頼窓口も開設。
また、雇用形態を希望する人にはチャイルドマインダーとして働く社員採用枠を定期的に設け、募集しています。
受講から資格取得、プロのチャイルドマインダーとして継続的に働くまでをサポートする仕組みは、チャイルドマインダー養成にだけ特化している専門校だから実現できると自負しています。

大切なのは、知識を得て現場に出て、先輩たちを見て真似て、技術や知識を自分のものにしていくこと。
ただ学ばせておしまいではいけません。
それは本当の資格とは言えないと考えています。

チャイルドマインダーは、非常に責任の重い職業だともいえます。

実際に自分自身、4人の子どもがいて、しかも次男、三男が双子で、子育てする手が足りずに苦労しました。
両親も他界していたので、働きながら子育てするのにベビーシッターさんや保育園に頼むしか方法はありませんでした。
親と、子どもの気持ち両方がわかって、真摯に向き合ってくれる教育者がいてくれたらなあという思いが非常に強かったです。

イギリスで、チャイルドマインダーのプロフェッショナルぶりを知り、チャイルドマインダーが日本にもたくさんいればなあと。

資格は、仕事に就くための、そして自信をもってもらうための証であって、最終的には現場に出て仕事をし、世の中に貢献していただくためのもの。
しかし、子どもの命を預かるとか、親御さんの熱い思いとか、責任感の重みに直面すると、怖いと思うのが普通です。腰が引けてしまう方もかなりいらっしゃいます。

受講しながら、最初の2回3回通う中でその厳しさを感じている方もいらっしゃいます。
元々、イギリスの指導マニュアルでもそうですが、一番最初に学ぶ内容は「非常に責任の重い職業」だということ。
それから覚悟があるかということ。

「あなたはチャイルドマインダーになりますか?」という問いかけがあります。
この職業に就くことは、一時的な感情ではできないということです。
それと、どこかの企業に就職して働くというスタイルではなくて、自宅でバックヤードビジネスとして行うスタイルがイギリスではスタンダードなので、それをお伝えすると、雇用されないのは不安だとか、自分でお客様を集める商売をしたことがないとか、つまづかれる方もいらっしゃいます。
ハードルは結構高い職業だといえます。

何かあれば専門家の意見をフィードバックするサービスも行っています。

チャイルドマインダーとして働く方への一番のサポートは、万が一何かあった場合の緊急時対応です。
自分一人で運営しますので、たとえば、親御さんとトラブルを起してしまった、お子さんが怪我した、もしくは自分が倒れたという場合に相談することができません。
そのような、いざという時に情報交換する場所もありません。

特に保育中の事故については、万が一の場合は、きちんとした団体保険で損害賠償保険に加入できるというのが、まず一つ、大きなサポートです。
たとえば、一事故5億の保険をかけるとなると、年間一体何十万円払うことに? 個人の場合、まず保険会社が引き受けてくれないケースがとても多いです。
また、弁護士や、税理士などをはじめ、確定申告などのサポートも必要になります。

それから親御さんと契約する時に契約書を交わさないといけないですし、請求書も起こしますし、最低限ビジネスに必要になる帳票類はNCMA,Japanのロゴを入れて提供しています。
何かあれば専門家の方に私たちを通して質問させてもらい、フィードバックするサービスも行っています。

また、同業の仲間がいると安心ですし、モチベーションアップにもつながりますので、定期的に交流会をしたり、情報交換したりしています。
春・秋2回、ブラッシュアップ研修を行い、専門的知識と技術の向上をフォローしています。

家庭的保育事業のガイドラインと自治体の動きについて

チャイルドマインダーは、認可外保育のカテゴリーに入ります。
元々、わが国には、家庭的保育というカテゴリーはありませんでした。
認可も、無認可も、施設中心の施設型保育が主流でした。

2010年に児童福祉法が改正され、ようやく家庭的保育のカテゴリーが付け加えられることになりました。
児童福祉法の中で、家庭的保育を行う場合の安全基準などのガイドラインが作られ、認知されだしたのはここ2年くらいではないでしょうか。

今までは認可外保育施設の中には保育士が2名以上いないといけない、施設は何平米以上なくてはいけない、子どもを預かる場合は2階以上の建物であってはいけないといった規制が多くありましたが、最近はハードルがずいぶんと低くなってきています。

国と都道府県が補助金を出し、家庭的保育事業を行う市区町村を補助する動きも出てきています。
その中でチャイルドマインダーを活用しようという自治体も出始めました。
保育ママという事業は昔からあったのですが、いわゆる保育士が自宅で保育するという形態で家庭福祉員制度と言われているものですが、自治体によって名称はさまざまです。

家庭的保育を始めるにあたり家庭的保育事業のガイドラインに則った専門研修を計画する自治体の動きもあり、わたしたちのセミナーを受講に自治体からの要請で来られる方もいらっしゃいます。

夫婦共働きの方々が、もっと気軽にチャイルドマインダーを利用できる世の中に。

チャイルドマインダーは、無料のサービスではなく、どうしても有料のサービスになってしまいます。
たとえば、国の保育制度で誰でも無料でサービスが受けられると、世の中もまた違ってくるのではないでしょうか。

個人的にチャイルドマインダーに依頼すると、全額が自己負担になってしまいます。
実費の費用が払えるご家庭はよいのですが、支払いが難しいという子育て家庭がほとんどですので、なかなか利用が進まないのが現状です。

経済的にどうしても働かなくてはいけない、収入を増やさなくてはいけない、要するに夫婦共働きの方々にご利用いただきたいと思います。
実際、公立保育所の時間外、つまり、早い時間や夜間、日曜・祝日などに仕事をされている子育て家庭、自営業や、24時間サービス、病院の宿直のある先生や看護師、長期出張のある仕事をされている子育て家庭に多くご利用いただいています。
ただ、全額自己負担できない子育て家庭から、サービスを使いたいという声は多くいただきますが、思うように提供できていないという問題もあります。

中には、法人でご契約いただき、たとえば職員が利用した場合の費用の9割は企業・団体が負担しますので、子育て家庭は実質1割負担で済むということもあります。
しかし、これはあくまで資金的にゆとりのある団体・組織のケースです。

サポートも充実させ、家庭的保育の多くの受け皿を作ることが最終目標です。

NCMA, Japanでは、今後も、どの地域でも受け入れられる人材を多く輩出したいと考えています。
資格取得後、自立していただき、親御さんと直接契約でも自治体を通しての契約でも構わないので、多くの受け皿を作りたいというのが最終的な目標です。
また、さらに質の良い保育をしてくださる保育者を数多く養成したいと考え、サポートもより一層手厚くしていきます。

チャイルドマインダーは、その保育者が子どもにとって良いことが一番です。それは、親にとっても、安心と信頼できる人材だということです。
子どもを預けるに足りうる人材かどうかということです。ただ、人間同士ですので相性の問題もあり、とても良い保育者なのに相性が合わないということも時にはあります。
どうしても相性が合わない組み合わせもありますが、好き嫌いは別にして、この人だったら子どもを預けてもいいと思っていただけるような人材、子どもが自分の家庭のように安心してそこで過ごせる、子どもの発達や教育面でもきちんと貢献してくれる人材こそが、質の良い人材だといえます。

日々の成長であるとか発達、教育的な指導、それは早期教育というよりも、初期教育。子どもにしてあげられることをきちんとすることのできる人材でないと、長時間・長期間、預けることはなかなかできないものです。
そういう意味でも、保育者の質の追及はこれまでと同様にしっかりとしていきたいと考えています。

資格を発行することは、とても責任が重いことだと思っています。

チャイルドマインダーに限ったことではなく、すべてのサービス業に言えることですが、人材育成の問題はとても大切だと思います。

まずは最低限、信頼できる人物かどうかということは、どのような職種においても同じです。
自分がプロだと言えるようになるまでにはかなりの時間がかかりますし、いろいろと失敗もあることでしょう。
でも、経験を積んでいかないと、本当の意味でのプロフェッショナルにはなれません。
もちろん、養成講座を受けただけでは、チャイルドマインダーではありません。

資格を発行することは、とても責任が重いことだと思っています。
ベビーシッターには、元々、資格制度はなく、後から作ったものです。

子どもを預かる、子どもの命を預かる、親御さんから大事な宝を預かるわけですから、簡単に資格を発行して「はい、おしまい」ではあまりにも無責任ではないかと。
仕事をしてはじめて活きる資格ですので、絶対に働いてもらいたい、一度は経験してほしいと。覚悟をもって生涯に渡って使っていただける資格にしたいと考えています。

また、より専門的な方が学びに来るようになって、授業内容はもちろんのこと、講師の質もさらに上げていかないといけません。
さらに、保育現場では、子どもにきちんと教育してほしいなどこだわりの強い親御さんも増えていますので、そういう意味でも保育・教育がしっかりとできる人材がますます必要になってきています。

プロフィール

NCMA, Japanは、厚生労働省のガイドラインに準拠し、家庭的保育に特化した専門知識と技術を学べる通学および通信講座の教育を提供しています。
1.安全の確保 2.健康と衛生管理 3.発達(学習)支援 4.達成と楽しみ 5.福祉の充実といった実践に役立つ5つのポイントにより、優良な家庭的保育者を育成し、社会に輩出しています。
わたしたちのビジョンは、「子どもを健やかに育める地域社会の確立」「全国の家庭的保育の安全管理の統一」「誰もが叶う就労と子育てと自己実現できる社会環境創り」です。
また、「世界で一番、安全安心な保育を目指すために保育の質の向上に専念し、子育て家庭を支援することで社会に貢献すること」というミッションを持っています。
NCMA, Japanは、チャイルドマインダーの専門研修を修了された皆様が、次世代の子どもたちの育成に深くかかわるプロフェッショナルのチャイルドマインダーになれるように、しっかりとサポートしています。

★NCMA,Japan ホームページ
http://www.hoiku.co.jp/