− ISOを取得したことで、受講生や取引先から、何か反応はありましたか。
是枝 ISOはまだ普及の過程ですので、販促効果はこれからだと思います。
我々は販促面での効果よりも品質面での効果を期待して取得しています。
ISO取得によって社内の流れが良くなり、その結果としてお客様が増えていると考えています。
実際に、ISO取得のための活動を2年前から始めて以降、退会率は減少を続けています。
− 御社ではトップ自らがISOに対する姿勢を示し続けてきたことが良く分かりました。
御社の場合はあまりないのではないかと思いますが、仮にISOに対してネガティブな反応があった場合はどう対応をされましたでしょうか。
小倉 社内ではあまりネガティブな反応というのはありませんでした。
あえて言えば「既に質向上に関する活動をやっているのになぜISOが必要なのか?」という声があったくらいでしょうか。
とはいえ、質向上に関する活動の重要性はみな理解していますので、ISOがどういうものか、という説明をしていけば理解をしてもらえました。
むしろ、現場にとっても、これまでよりも「ルール」が分かりやすくなった、というメリットがあったのではないかと感じています。
− 今までやってきたことがあるから、ポジティブに受け入れられたのでしょうね。
横田 逆に、ISOを取ることでルールが変わるぞ、全部ひっくりかえってしまうぞ、となってしまうと、現場の方々としては受け入れ辛いですよね。
是枝 栄光は上場していますので、上場企業としての制約はあります。
シェーンも過去に栄光グループに入ったときに、出来ないことやしてはいけないことが明確になったという経緯があります。
これが今回のISO取得によってさらにはっきりしました。
お客様に提供できること、できないことも明確になりましたので、お客様からの要望に対して無理に全て応えようとして破たんする、ということもなくなりました。
ルールが明確になることによって、現場にとっても活動しやすくなったのではないかと思います。
小倉 過去はクラスによっては進度がバラバラで、次の年度に進むときの教材切り替えがうまくいかないようなこともありました。
グループレッスンの場合、一人お休みの人が出るとその人に合わせて進度を遅らせる、ということがありました。
現在は、お休みされた方への振替レッスンなど新しいサービスを設けることにより、レッスンを予定どおり進めることができる仕組みになっています。
誰でもどこでも同じレッスンを受けることができる、ということを基準に置いて考えることで、こうした仕組みが整備されてきました。